障害者自立支援法を考えるみんなの埼玉集会アピール

 

 わたしたちは、今日、県内の障害者、家族、関係者など360人が集い、集会を持ちました。

 今国会では、多くの障害者・家族関係者が国会に詰めかけ、「障害者自立支援法案」など障害者に関わる法案の審議を、固唾をのんで見守っています。それは、障害者、家族のこれからの生活に大きな影響を与える法案だからです。戦後60年、障害者、家族、関係者の願いを、少しずつ実現し、積み上げてきた福祉制度が、今、根底から突き崩されようとしています。

 全国で、700万人の障害者がいると言われています。大半の障害者は、就労できず、地域の作業所に一万円前後の工賃収入で通っています。障害基礎年金や手当を受給しているとはいえ、障害ゆえの出費も多く、今でさえ、ぎりぎりの生活になっています。身の回りの介護だけでなく、経済的にも、家族の支えによって日々の生活を送っているのが現状です。そこに、応益負担による、施設利用や、ヘルプサービス利用などに、一割の負担は、障害者家族の家計に大きな負担を強いるものになります。

 みんなと一緒に、普通の人と同じような生活をしたいという願いは、贅沢なのでしょうか。普通の生活を送るための諸制度は、人間としてのスタートラインです。そのスタートラインに、お金をかけなければならないのでしょうか。施設利用は、単に、生活の場だけではなく、生きる力を身につけ、社会参加への道をひらく場でもあります。外出保障はかけがえのない社会との接点

をつくるものです。それらの機会を、今まで以上に、制限せざるを得なくなります。福祉サービス利用を断念する障害者が出てくるのではないでしょうか。

 私たちの願いは、障害者、家族が安心して生活できることです。その為に、応益負担導入をやめてください。そして、総合的な社会的支援を法制度化し、この社会に根付かせることです。

 以下のことを、要望します。

 

 

   1, 応益負担をやめてください。

 

   2, 「障害者自立支援法」法案については、時間をかけ慎重に審議してください。

 

   3, 障害保健福祉予算を大幅に増やしてください。

 

   4, 障害者の働く場を確保してください。

 

   5, 福祉関係に働く人の労働条件を改善してください。

 

   6, 当事者の意見を聞く機会を多くつくってください。

 

 これらの願いを前進させるため、多くの障害者、家族、関係者、市民に呼びかけ、誘い合い、一層の輪を広げ、再び集いあおうではありませんか。

 

 

 2005年6月12日

          障害者自立支援法を考えるみんなの埼玉集会参加者一同